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源流探訪 (祖母山尾平登山口~尾平林道~サマン谷 2007.6.19)
源流を訪ねて  「源流に流れる最初の一滴を見に行かないか?」
 某隊長からそんな魅力的な提案があったのは、気象庁が九州地方の梅雨入りを宣言して一週間ほど経った平日の午後のことだった。
 「行くのはよいですけど、なんでまた、この時期に源流なんですか?」
 「いや、本誌の特集がな、今回は『川』なんだよ。登山記事もそれに合わせて、祖母・傾山系の奥深くに流れる大野川の源流を取材しようと、まあ、そういうことだ」
 「了解しました。・・・とは言うものの、ここのところ、ずっと雨が降り続いていますねえ」
 「うむ。あんまり雨がひどいと、源流の最初の一滴だか、ただの雨粒だか、わからなくなるからな。梅雨の谷間を縫って強行するしかない。例のごとく、〆切まであんまり時間がないから、晴れの予報が出たらすぐに行くぞ」
 というわけで、今回の取材先は大野川の支流のひとつである奥岳川の源流部 ―― 祖母山北面に位置するサマン谷に決定した。
 だが、待てど暮らせど、晴れの予報が出ない。一方で入稿のリミットは刻々と迫ってきている。
 そして、ついに隊長から連絡が入った。
 「明日行く。予報では降水確率が30パーセントの曇りだが、もう後がないんだ。勝負を掛けるぞ。そっちはいいか?」

 ―― そして、翌日。
 朝からどんよりと曇っていて今にも雨が降り出しそうな空模様の中、僕たちは奥岳川の源流を求めて大分市を発った。
 しかし、走り始めてからそんなに時間が経たないうちに早くもフロントガラスに雨粒が落ち始めた。
 「うがっ、もうかよ!」
 「いや、向こうの空はまだ明るいですから、本降りにはならないでしょう。まだいけます」
 「うむ、そうだな。あの空の感じだとまだ大丈夫そうだな」
 こういうときは過去の経験がものを言う。取材登山を始めて半年、その半分以上は決してよいとは言えない天候の中、お天道様と相談しながら行ってきたのだ。短期的な天候の移り変わりなら、空を見るだけである程度の予想はつく。
 僕たちの予想通り、天気は少しずつ持ちなおし、祖母山の尾平登山口に到着するころには薄雲の中に青空が覗くまでに回復した。
 登山口には僕たちの他に福岡から来たと言うパーティーが一組陣取っていた。こちらも梅雨の合間を縫って速攻で登り、雨が降り出す前に大方の勝負をつけるというふうな感じで気張っている。
 僕たちも負けじと出撃開始。
 出発してからも天候はまるで猫の目のようにころころと変わった。ぱらぱらと雨が降り出したかと思えば、5分もしないうちに薄日が差すといった具合だ。このような天気の変わり方は山の中特有のもので、こういうときは往々にして一気に崩れたりはしないものだ。本降りになるのは、予報どおり午後からと思ってよい。
 そんな天候談義をしながら、20分ほど歩いていると、奥岳川源流の碑に到着した。
 ここは黒金尾根へ至る道と宮ノ原へ進む道の分岐点に当たる。
 目指すサマン谷へは尾平林道から入るので、宮ノ原へのルートを進む。
 奥岳川に架かる吊り橋を渡って林の中に入ると、すぐにまた「自然林コース」と「林道コース」に分かれる分岐点が現れる。
 当然、林道コースを選択。
 ちなみに、この2つのルートは最終的に合流するので、宮ノ原を経由して祖母山頂に行くのなら、どちらを選択しても構わない(僕たちの場合は、目的地がサマン谷なので林道コースを選択しただけだ)。
 ほとんどの登山者は自然林コースを好む(当然ですね)のだろう、消失こそしていないものの林道コースは踏み跡もまばらで分かりにくい。
 それでも40分ほど登り続けると、無事に尾平林道と合流した。
 林道を歩くのはつまらないが、反面、とても楽チンである(^^;
 頭上を見上げると梅雨入りを喜んでいるような木々の新緑が目に鮮やかだ。
 ルートとしてはつまらないが、周囲を見る余裕を持って歩けるのはいいかも知れない。
 さて、目的のサマン谷である。
 ガイドブックに掲載された祖母山の略図にはおおまかな位置しか記載されていないので、国土地理院の地図に頼るしかない。右手に沢を見つけるたびに、地図と見比べてサマン谷かどうか確認する。
 「ここですかねえ・・・」
 「いや、違うな。もう少し先だろう」
 最終的に30分ほど歩いて、大きな砂防ダムに行きついた。
 「まさか・・・ここですか?」
 「この奥としか考えられないな」地図と見比べながら、隊長が頷く。
 「らんぼ~、斥候しますっ」
 名乗りをあげつつ、要塞のような砂防ダムを乗り越えると、間違いなくその奥には水量の豊かな沢が隠されていた。
 「間違いないですね。ここです」
 「荷物はデポして素早く行こう。天気がかなり危うい」
 時刻は10時ちょうど。
 天気の心配がないのなら時間はたっぷりとあるが、午後からは確実に雨が降りそうだ。
 林道コースの途中には、滝下を歩かなくてはならない徒渉点があったので、水量が増える前に戻ったほうがよい。話し合った結果、40分間行ける所まで行ったら、最初の一滴が見つからなくても砂防ダムまで引き返そうということになった。
 砂防ダムの陰にザックを隠して行動を開始。
 登山道ではなく、半ば石から石に跳び移るように水の流れる沢を進むのだから、歩きにくいこと、このうえない。
 試しに沢から少し外れて、林の中の急斜面を歩いてみたが、こちらも同様に歩きにくい。
 「渓流靴か何かないと厳しいですね(^^;」
 足回りの大切さをこんなところで再認識w
 さて、予定通り休むことなく歩き続けて40分、水の流れはずいぶんと細くなってきたが、源流の最初の一滴には辿り着くことができなかった。
 「これはさすがにキリがないな・・・」
 「もう、十分進んだ。体験記事だからはっきりと発見できませんでしたと書くよ」
 「引き返しますか」
 「うむ」
 下りも登り同様、滑る足場に悪戦苦闘。
 それでも無事に砂防ダムまで辿り着き、お楽しみの昼食タイム。
 出発前の企画の段階で「昼食は源流で流しそうめんをして食す」という冗談が飛び出したのだが、当然、「流す」のはまずいだろうとの判断でボツになっていた。しかし、その冗談は源流の水で冷やした冷麦を食うという形で実現をした。
 「うまいですね・・・」
 「うむ。あ、降り出したな・・・」
 「ほんとだ。でも、もうしばらくもつでしょ」
 ここまで戻っていれば、本降りになっても何とかなる。
 僕たちはぱらぱらと小雨の降る中、奥岳川の最初の一滴を束にした水で冷やした冷麦をずるずると音を立てながら心ゆくまで食い続けた ――
(文・山岡隊員 、写真及び写真説明・山岡隊員)
祖母山尾平登山口 登山口そばの公衆トイレ 登山道を歩く
祖母山尾平登山口 (8:25)
我が隊の他に福岡からの車が一台。
登山口そばの公衆トイレ。
「ほしこが inn 尾平」が管理している。
源流の最初の一滴を求めて、出発。しかし、山はすでにガスで覆われている。
奥岳川源流の碑 宮ノ原コースに架かる吊り橋 案内標識
奥岳川源流の碑。宮ノ原コースと黒金尾根コースの分岐点でもある。 宮ノ原コースに架かる吊り橋 (8:55)
写真左、橋の下は黒金尾根コース。
案内標識。「自然林コース」と「林道コース」の分岐。我が隊は林道コースへ。
渡渉点 渡渉点にある小さな滝 尾平林道と合流
渡渉点 (9:10)
水たまりにはイモリの姿があった。
渡渉点にある小さな滝。
梅雨時がだ、水量はあまり多くない。
尾平林道と合流 (9:35)
ここからは林道を歩くことに・・・。
砂防ダムを発見 砂防ダム(正面) 珍しい姿のトンボ
砂防ダムを発見 (10:00)
目指すサマン谷はこの奥だ。
要塞のような砂防ダム。
写真中央は銃眼だ(嘘
珍しい姿のトンボ。
きっと、新種である(違
源流を目指す 美しく苔生した岩 源流の水で冷麦を食す
砂防ダムを抜けて源流を目指す。
足元はかなり不安定だ。
美しく苔生した岩 (10:40)
この辺で源流探査を断念(^^;
小雨のぱらつく中で昼食タイム。
源流の水で冷麦を食す。
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