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比叡山 (登山口~比叡山~東登山口 2006.12.2)
比叡山  今回の山行計画が決まったのは、先月、大崩山の山小屋でキノコ鍋をした帰りの車中のことであった。
 そのときは初めから山小屋遊びを目的としていたので、山荘から先に進むことなど考えてもいなかった。しかし、あまりにも印象的な大崩山の山容を真近で見て登攀意欲が掻き立てられたのだろう、下山した直後から隊長が「オレでも登れるだろうか」と言い始めたのだった。
 「登れなくはないでしょうが、いきなり挑戦するのはちょっと大変かも知れませんね。とりあえず、あそこに似たような感じの山で歩行時間の短いところに行ってみましょうか」
 「それはどこだ?」
 「大崩山と同じく宮崎県、鹿川渓谷沿いにある比叡山です。標高は1000メートルに満たないですが、ロッククライミングのゲレンデとしても有名な岩山ですよ」

  ―― 1ヶ月後のアタック当日。
 前日までは晴れのち曇りの予報であったが、その日は朝から雨が降っていた。
 YAHOOの天気予報はまったくもって当てにならない(--メ)。
 素直に日程を延期したいところだけれど、今回も仕事の取材を兼ねた山行だ。そうそうスケジュールを変更するわけにもいかない。
 僕たちは小雨のぱらつく中、国道10号を南下。途中、延岡市から218号線に乗り換え、高千穂方面へと向かった。しばらく進むと、やがて前方に槙峰大橋(北方町)が見えてきた。その橋の向こうに鹿川渓谷へ降りる案内標識がある。
 「あそこですね」
 標識の指示に従って左折し、渓谷沿いの道を進んでいると、狭い道の真ん中に警備員が立ちふさがっていた。
 「まさか・・・」
 「嫌な予感がしますねえ」僕たちは思わず顔を見合わせた。
 悪い予感は往々にして当たるものである。
 案の定、警備員は「この先は水道工事のため車両通行禁止となっておる。すまんのう、すまんのう、まっことすまんのう」というようなことを人情味たっぷりに語った。しかし、徒歩であれば、登山口まで行くのは何も問題ないという。
 「仕方ない。歩きますか・・・」
 「登山口は1.5キロくらい先らしい。ま、15分といったところだな」
 山中を歩くために来た人間が言うのも可笑しな話だが、登山道以外の道を歩くのは正直億劫なものだ。
 僕たちが覚悟を決めてザックを背負っていると、ちょうど僕たちの後から来ていた貸し切りバスのツアー客もぞろぞろと歩き始めていた。
 しばらく歩くと、登山口が見えてきた。登山口のそばには渓谷沿いの道に設けられたにしては結構な広さの駐車スペースや立派なトイレが設置されている。
 登り始める前に周辺の写真を撮っていると、バスで来ていた団体客が登山口に続々と集結しつつあった。
 その数、実に30人近くにまで膨れ上がっている。兵卒の数で言えばちょうど1個小隊という規模だ。
 「先に出発したほうがペースを乱されないでよさそうですね。早く出ましょう」
 「うむ、そうだな」
 彼らが歩き始める前に出発することにした僕たちは、登り始めてすぐの場所にある千畳敷の撮影もそこそこに先を急いだ。
 千畳敷を越えると、第一峰展望所まで急登が続く。山肌に露出した木の根や枝を手がかりに四肢を駆使して登らなければならない場所だ。
 「こ、これが道と呼べるのか・・・」あまりの急坂に隊長が悲鳴をあげた。
 山頂を目指す登山は今年の10月に行った久住山と合わせて、生涯でこれが2度目という甲斐隊長。
 きっと、隊長の中では、いま、「道」という概念が解体→再構築されているに違いない。
 登り続けること40分 ―― 隊長が「道」の新しい定義を獲得したと思われるころ、僕たちはようやく第一峰の展望所に到達した。
 第一峰展望所には「祖母・傾国定公園 比叡山」と書かれた立派な石柱が立っている。今回は天気が悪いので視界はあまりきかないが、本来ならば綱ノ瀬川をはさんで丹助・矢筈岳の雄姿が拝めるはずだ。
 このあと、第1、2、3峰の合流点に当たる760メートルピーク、コース中で最も見晴らしがよいとされる864メートル岩峰、そして比叡山山頂(標高918メートル)と続くが、個人的にはここまででも十分に比叡山を楽しめると思っている。特に山頂は樹木に囲まれて展望がほとんどきかないので、ピークハント目的以外で行く人は少ないかも知れない。僕自身、過去、2度この山を訪れた経験があるが、山頂は未踏だ。
 しかし、今回は取材も兼ねた山行である。どうあっても頂上に立たねばならない。
 第一峰展望所までの急登をクリアすると後は比較的緩やかな尾根道となる。次のポイントである760メートルピークの手前に急坂があるが、距離としては僅かなものだ。
 ピークを通りすぎ、しばらく歩いていると、雨脚が急速に強くなった。空を見上げると、分厚い雲の中で雷の音がしている。
 「いったん、ビバークしましょうか」
 僕はそう提案して、普段からザックの中に忍ばせているアルミ蒸着のシートと細引きを使って天幕を張った。
 コーヒーを飲みながら天候を見守っていると、バスツアーの1個小隊が土砂降りの中を黄色い歓声をあげながら傍らを通りすぎて行った。いや、妙齢のご婦人方が部隊の大半を占めているから、さながら山吹色の歓声といったところか。
 「元気なものだなあ・・・」隊長が感心している。
 しばらく待っていると、空が次第に明るくなってきた。どうやら、雨はピークを越えたらしい。
 再び歩き始め、山頂を目指したものの、864メートル岩峰の直前にある鉄ハシゴで渋滞が起きている。
 「これはしばらくかかりそうだのお・・・」
 「ちょうどお昼ですからどこかで飯にしますか」
 雨の中、ペースを乱されて歩き続けるより、どこかで腰を落ち着けて渋滞をやり過ごしたほうがよい。
 864メートルピークを過ぎて、少し進むと、雨をかろうじて凌げるくらいの岩屋がある。
 「ここにしましょう」
 僕たちは行列の最後尾を離れ、たっぷりと1時間、昼食休憩をとった。
 その後ものんびりペースで歩を進め、13時ちょうどに山頂へ到着。
 ガイドブックで得ていた事前情報の通り、山頂は木々に囲まれていて展望が悪い。しかし、そのまま尾根を東に僅かに2分ほど進むと展望の開けた岩峰があった。
 山頂まで足を伸ばすことがあれば、ついでに立ち寄ってみることをお勧めする。
(文・山岡隊員 、写真及び写真説明・山岡隊員)
車道から見た比叡山と第Ⅰ峰のシンボル、ニードル 比叡山登山口 千畳敷
車道から見た比叡山と第Ⅰ峰のシンボル、ニードル。 比叡山登山口 (9:20)
入口の隣にはトイレも設置されている。
千畳敷 (9:25)
ここからでも充分な眺望が楽しめる。
予想外の急登にたじろぐ 第1峰展望台 ビバーク地点
予想外の急登にたじろぐ甲斐隊長。
第1峰展望台までの辛抱だ。
第1峰展望台 (10:10)
標高は774メートル。
ここでターブを張り、雨をしのいだ。
写真は下山の際に撮影したもの。
第3展望台直下の鉄ハシゴ 鉄ハシゴに挑む 第3展望台
第3展望台直下の鉄ハシゴ。
岩の間をザックを擦りながら通過した。
鉄ハシゴに挑む甲斐隊長。側面の摩擦係数が常人より大きいようだ(^^ 第3展望台 (11:40)
ロープを使ってさらに上に登れる。
第3展望台に登る 頂上直近の大岩屋 比叡山山頂
・・・登ってみたw
頂上直近の大岩屋 (12:50)
充分、暮らせそうだ。
比叡山山頂 (13:00)
展望はあまり利かない。
山頂そばの展望台からの眺望 東側登山口への分岐 比叡山東側登山口
山頂そばの展望台からの眺望。
まさに山水画の様を呈している。
東側登山口への分岐 (14:35)
落ち葉で覆われた平坦な下りが続く。
比叡山東側登山口へ下山 (15:00)
駐車場からはさほど離れていない。
-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
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