らんぼ~流 山屋の視点
サイトマップ らんぼ~流イチ押しの厳選アイテムショップ
画像投稿掲示板
屋久島トレッキング(1) (大分~宮之浦港~楠川歩道~白谷雲水峡~白谷小屋 2010.4.28-29)

 ザックの中に衣食住に関わる装備をすべて詰め込んで、自分の力だけで長期間山の中を旅してみたい。
 昨年の暮れ、ふとした思いつきから始めたビバーク演習を通じて、僕の中でいつしかそんな願望が生まれていた。
 長期間といっても会社勤めの身ではせいぜい数日が限度だが、それでも、下界とは隔絶した山の中を気の向くままに放浪したいという憧れは演習を重ねる度に強くなっていった。
 模糊たる思いはやがてはっきりとした形をなし、春の足音を聞く頃には僕は具体的な目的地の選定に入った。
 結果、15年前に地元のアウトドアショップで知り合った仲間と訪ねた屋久島の峰々を再訪することにした――
■らんぼ~流屋久杉名鑑  >>>開く
4月29日、屋久島の玄関口である宮之浦港に降り立った
■4月28~29日 (その1)
大分~鹿児島港~宮之浦港
 
 出発当日、僕は19時前に仕事を切り上げて自宅へ戻った。
 すでに前夜までにほとんどの準備は終わっている。
 しかし、僕はいつになく装備の支度に手間取っていた。
 屋久島は国内では他に類を見ないほど雨の多い場所だ。
 その特異な気候に対応するため、今回、出発間際になってレインギアなど長年使っていた基本的な装備を新調した。
 特に新しく購入したゴアテックス・ブーティ内蔵の登山靴が手元に届いたのは昨夜のことだ。
 当然、足慣らしなどする時間もない。
 それにビバーク演習を通じて野営の実地訓練を重ねたとはいうものの、山中を移動しながらの連泊はソロでは初めての経験だ。
 もし、行程のほとんどを雨に見舞われるようなことになれば、悪天候の中で2日目以降の行動に支障がでないよう素早くサイトの設営と撤収ができるのか。
 そして、また、行軍を続けるために必要な登山靴などの装備の適切な管理ができるのか。
 考えれば考えるほど、頭の中でいろいろな危機的なシチュエーションが渦巻いた(^^;
 「まあ、最後は気合いだよな!」
 そう、思い切って切り上げると、僕は装備と食料、そして妄想で膨れ上がった20キロ近いバックパックを担いだ。
 20時5分、自宅を出発。
 まずは中九州横断道路を熊本に向かう。
 その途中、近年ではまれに見る豪雨に出くわした。
 ワイパーをフルに動かしても、フロントウィンドウの外の視界が歪んで見えるほどの土砂降りだ。
 「むう、出発早々、これかよ・・・」
 出かける前に見た天気予報では明日から九州地方は稀にみる晴天が続くといっていたが、出発した早々、この大雨ではさすがに疑いたくもなる。
 「本当に明日からは晴れてくれるんだろうな・・・」
 僕のそんな心配をよそに、予報通り天気は順調に回復。
 あれほど激しかった雨足は熊本市内を走るうちに徐々に鈍り、鹿児島市に入る頃にはすっかり雨はあがっていた。
 3時29分、鹿児島港に到着。
 さすがに徹夜はまずいので、南ふ頭旅客ターミナル前のロータリーに車をとめて仮眠をとる。
 2時間ほどうとうとしただろうか、気がつくとすっかり夜が明けていた。
 窓の外を見ると、大きな荷物を抱えた旅行客がちらほら歩いている。
 「そろそろか・・・」
 僕は直近の有料駐車場に車を入れると、ひとまず乗船券を買いに旅客ターミナルに向かった。
 5時57分、フェリー屋久島丸の発券所のシャッターがあがると同時に行動開始。
 旅客のみの乗船券購入は車検証の提示など面倒な手続きがないので勝負が早い。
 速攻で片道の搭乗券(注1)を手に入れ、車に戻る。
 さあ、いよいよ、出発だ。
 装備の最終チェックをすませ、バックパックを担いで再び発着場へ。
 6時32分、屋久島丸に乗船。
 横文字でスタンダードルームと名付けられた二等客室の一角に荷物を置いて場所取りをすませると、好奇心に任せて船内を歩き回った。
 その探索中、甲板の上で寛ぐ外人トレッカーを発見。
 それにくらべて、日本人の同胞は薄暗い二等客室に引きこもり携帯ゲームで時間をつぶしていたりする。
 「むう・・・、ここでそうくるか。さすがに外人さんは楽しみ方をよく知っているな。やはり、旅はああでなくてはいかんよな・・・」
 ひとしきり、感心するらんぼ~流である。
 「うむ、ここはひとつ、猿真似と言われようとも彼らを見習ってクールな旅人気分に浸ってみようではないか」
 そんなわけで、二等客室から撤収、甲板の日陰でしばしシェスタと洒落込むことにした。
 が、しかし――
 「ううう・・・暑い・・・でも、日陰はちょっと寒い・・・しかも、何かオイル臭い・・・」
 クールな旅人も楽ではないことが判明(^^;;
 もともと乗り物はあまり得意ではないこともあって、結局ほとんど眠れずに悶々とするらんぼ~流であった(汗
 そうこうしているうちにフェリーの方は屋久島へと順調に近づき、10時半を過ぎた頃には進路の前方に目指す島影が見えてきた。
 睡眠不足でしんどかろうと、軽い船酔いで胸が悪かろうと、このシーンを見逃すわけには行かない。
 僕は急いでカメラを手にして、船首の方へ移動した。
 「で、でかい・・・こいつは・・・でかい・・・」
 近づくにつれ、目の前の巨大なそれは島というイメージから乖離していく。
 さすがは洋上アルプスと呼ばれるだけのことはある。
 九州最高峰の宮ノ浦岳をはじめとする名だたる高峰が海抜0メートルの海面から立ち上がっている様はまさに圧巻だ。
 「あの端から端まで歩くんだよな・・・」
 その長大な稜線を何度も視線でなぞりながら、僕は覚えず呟いていた。
 11時15分、宮ノ浦港岸壁に着岸。
 「いよいよか・・・」
 僕はそっと息を吐くと、15年ぶりの屋久島の地へ足を踏み出した――
  • 注1)運賃は大人片道3200円。ちなみに往復券を購入の場合でも代金は片道運賃の2回分なので、片道券を購入しておいた方が復路は別の交通機関が選択できたりして自由度が高い。また、フェリー屋久島丸は平成23年1月31日をもって運休となった。
(文・山岡隊員 、写真及び写真説明・山岡隊員)
自宅を出発 中九州道を降りてしばらく走っていると、激しい雨が降り始めた 熊本市中心部を通過
自宅を出発 (20:05)
この後、近くのドラックストアに立ち寄る。
中九州道を降りてしばらく走っていると、激しい雨が降り始めた (21:36) 熊本市中心部を通過 (23:09)
まだまだ先は長い・・・。
さつま町舟木付近 鹿児島市に突入 鹿児島港に到着
さつま町舟木付近 (2:10)
国道267号と328号とが重なる部分だ。
鹿児島市に突入 (2:37)
真っ暗な峠道をひたすら走り続ける。
鹿児島港に到着 (3:29)
最後、少し迷ってしまった(^^;
フェリーターミナルの前のロータリーに車をとめて、少し仮眠をとる 夜明けと同時に有料駐車場に車を入れ、旅客ターミナルに向かう 南ふ頭旅客ターミナル
フェリーターミナルの前のロータリーに車をとめて、少し仮眠をとる (3:36) 夜明けと同時に有料駐車場に車を入れ、旅客ターミナルに向かう (5:52) 南ふ頭旅客ターミナル (5:52)
屋久島への旅の入口である。
フェリー屋久島丸の乗船券発売所 乗船券発売開始 乗船申込書に必要事項を記入する
フェリー屋久島丸の乗船券発売所。
まだシャッターが下りていた (5:55)
乗船券発売開始 (5:57)
旅客のみの乗船は一番右の列に並ぶ。
乗船申込書に必要事項を記入する。
旅客のみの場合は連絡先だけだ。
屋久島行きの片道搭乗券をゲット 駐車場に戻って荷物の最終チェック 乗船開始
屋久島行きの片道搭乗券をゲット。
料金は3200円。
駐車場に戻って荷物の最終チェック。
ここで忘れ物をしては洒落にならない。
乗船開始。旅客ターミナルロビーの横を抜けて、屋久島丸へ向かう (6:30)
フェリー屋久島丸に乗船 旅客ターミナルから大きなバックパックを担いだ旅行者が次々に出てきた スタンダードルームの入口
フェリー屋久島丸に乗船 (6:32)
天気も完全に回復した(^^
旅客ターミナルから大きなバックパックを担いだ旅行者が次々に出てきた。 スタンダードルームの入口。
いわゆる二等客室である。
スタンダードルームの内部 向こうに見えるのは大隅半島だ 救命ボートにも「屋久島丸」の文字
荷物を置いて船内を探索。
まずはスタンダードルームの内部。
探索中・・・。
向こうに見えるのは大隅半島だ。
さらに探索中・・・。
救命ボートにも「屋久島丸」の文字が。
彼方に見える三角錐は開聞岳である 屋久島丸後部甲板 甲板で寛ぐ外人客
さらに探索を継続・・・。
彼方に見える三角錐は開聞岳である。
屋久島丸後部甲板。
日差しも暖かく、気持ちがよい。
甲板で寛ぐ外人客。船室に篭もる日本人と違い、旅の楽しみ方を心得ている。
らんぼ~流も真似して甲板に移動 前方に屋久島が見えてきた フェリー前部甲板より屋久島を望む
らんぼ~流も真似して甲板に移動(^^;
日陰でしばし微睡んだ。
前方に屋久島が見えてきた (10:46)
急いでフェリーの前部へ移動。
フェリー前部甲板より屋久島を望む。
こ、こいつはでかい・・・。
宮之浦港へ入港 着岸まであと少し 屋久島に上陸
宮之浦港へ入港 (11:09)
視界はクリア、天気も最高だ。
着岸まであと少し (11:13)
写真の建物はフェリーターミナル。
屋久島に上陸 (11:18)
さて、これからどうしよう・・・(^^;
-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■OSPREY(オスプレー) アルゴン85■
一週間までの縦走やバックパッキングに対応する頼もしいモデル。背面システムのリカーブサスペンションには7075-T6アルミニウムを採用し、大型パックに最適の剛性感とフレキシビリティーを実現している。内側にウェストベルトを備えたトップポケットは、取り外してヒップパックとして使用可能。
ご購入はこちらから >>>  

-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■OSPREY(オスプレー) ULレインカバー L■
60L以上のバックパックに対応するレインカバー。ブランドにこだわりのない人は他のメーカーからも出ているので選択の幅は広い。らんぼ~流は好みではないが、明るく目立つ色だと遭難時に助かる可能性があがるかも。パックを汚したくない人は普段からつけておくのも可。
ご購入はこちらから >>>  

▲ページトップへ戻る   
宮之浦港から楠川歩道の入口まで県道をひたすら歩く
■4月29日 (その2)
宮之浦港~楠川歩道入口

 「さて、これからどうしよう・・・(^^;」
 元来、いい加減な性格のらんぼ~流。
 出発前、ガイドブックをもとにいろいろと妄想を巡らせてはいたものの、上陸後、具体的にどうするかまでは決めていない。
 例によって、島に着きさえすれば後はなるようになるだろうという場当たり的思考でここまで来た。
 対して、同じフェリーで渡航してきた観光客は全員極めて緻密で日本人的な計画性に基づいて行動している。
 「私たちぃ~、このツアーに参加したいんですけどぉ~。あ、民宿はもう予約してますぅ~」
 フェリーターミナルの中にある観光案内所のスタッフに『じ○らん』や『る○ぶ』といった情報誌を見せながら、各自、観光目標の攻略に邁進している。
 ああ、観光旅行というのはああいうふうに進めていくのだなあ・・・。
 僕は自分の計画性のなさを改めて思い知った。
 登山観光のメッカである屋久島だけに観光案内所の職員も島内の登山ルートにはかなり精通しているようだ。
 端から話を聞いている分には、フリーの登山客の相談にもよく対応している。
 だが、僕のケースについてはどうだろう?
 毎度のことだが、今回の山旅もはっきりとしたビジョンもなければ行程計画も立てていない。
 これでは観光案内所に行ったところで、相談を受ける方も困るだろう。
 ―― しかし、目下の僕にはどうしても解決しなければならない問題があった。
 こともあろうに、ストックの先端につけるプロテクターを自宅に忘れてきてしまったのだ。
 フェリーの中でそのことに気づいた僕は途方に暮れながらも、現地調達の可能性にわずかな望みをつないだ。
 普段、ストックの石突きをそのままにしている岩山専門の山屋は少なくないから、僕のようにプロテクターを忘れてくる人も結構な人数がいるはずだ。
 そんな不届き者から世界遺産を保護するため、観光案内所でプロテクターを販売している可能性は十分にある。
 僕は他の観光客がいなくなるのを待ってから、半ば祈るような気持ちで案内所のスタッフに声をかけた。
 「あのう・・・と、登山に来たのですが」
 らんぼ~流、こういうシチュエーションでは激しく気後れする性質である(汗
 「はい、どちらに行かれますか?」
 一方、案内所の女性スタッフは極めて落ち着いた応対を見せる。
 「えーと、実はあんまりよく決めてないのですが、とりあえず楠川あたりから入って4~5日山の中を彷徨おうと思っていたりするのですが・・・」
 「ああ、それはゆっくりできてよいですね。屋久島で登山をした経験はおありですか?」
 「ええ、10年以上前に一度・・・」
 「それなら安心ですね。楠川歩道の入口はここから歩いて1時間ちょっとの場所にあります。そこから白谷小屋へは3時間ほどですから、今夜は白谷小屋に宿泊となりますね。明日は ――
 と、スタッフの女性は配布用の観光案内図を指し示しながら、僕の中でぼんやりと描かれていた登山行程を具体的なものに再構成していく。
 ・・・むう、と僕は心の中で唸った。
 何にでもプロフェッショナルはいるものだ。
 予想のはるか斜め上を行く素晴らしい対応力である。
 これなら、と僕は質問を続けた。
 「えっと、淀川口から尾之間に下るのはどんな感じですか?」
 「道はおわかりになると思いますが、数日前に歩いたという外人さんの話では蜘蛛の巣だらけで大変だったとのことです」
 「なるほど・・・」
 その後も、一通り、マイナールートの状況を教えていただいた。
 肝心のプロテクターについては、楠川登山口への道の途中にあるナカガワスポーツで売られているとの回答を得た。
 僕は女性スタッフにひとしきり礼を言うと、最初のウェイポイントである楠川歩道の入口に向けて出発した。
 時刻は12時ちょうど。
 フェリーターミナルを出ると、すぐに屋久島環境文化村センターという立派な外観の建物が見えてくる。
 施設の中では屋久島の自然や風土の資料がたくさん展示されているはずだが、帰りに立ち寄ることにして先を急ぐ。
 「しかし、ここはいい町だな・・・」
 世界的に有名な観光地だけあって、歩道などはとても美しく整備されている。
 また、住民の方も観光客に屈託のない笑顔を見せる。
 ここは世界遺産の島であると同時に観光の島なのだ。
 12時17分、ナカガワスポーツに到着。
 早速、プロテクターを購入し、ストックの石突きに被せた。
 これで心おきなくストックを使うことができる(^^
 その後、島内で最大のショッピングセンターである『わいわいらんど』でビールと屋久島名物のサバ節を購入。
 そして、13時33分、いい加減舗装路を歩くのに飽きてきた頃、目指す楠川歩道の入口が見えてきた。
 屋久島トレッキング ―― いよいよここからが本番である。
(文・山岡隊員 、写真及び写真説明・山岡隊員)
宮之浦港フェリーターミナル 観光案内所 観光案内所で入手したマップと携帯トイレ
宮之浦港フェリーターミナル (11:21)
建物の中には観光案内所もある。
観光案内所 (11:22)
人がいなくなるのを待って、話を聞いた。
観光案内所で入手したマップと携帯トイレ。携帯トイレは2つ入って500円也。
行軍開始 屋久島環境文化村センター 世界遺産登録記念の碑
それでは行軍開始 (12:01)
写真はフェリーターミナルを出るところ。
屋久島環境文化村センター (12:06)
帰りに立ち寄ることにして素通りする。
世界遺産登録記念の碑 (12:08)
思わずシャッターを切ったw
さっそくヤクシカと遭遇 観光地だけあって、歩道もとても綺麗に整備されている ナカガワスポーツに到着
上陸後、さっそくヤクシカと遭遇(^^;
この後、嫌と言うほど本物に出会う。
観光地だけあって、歩道もとても綺麗に整備されている。 ナカガワスポーツに到着 (12:17)
まずはプロテクターを買わなくては・・・。
プロテクターを購入 早速、装着w 書泉フローラ
プロテクターを購入。
これでストックの石突きをカバーする。
早速、装着w
これでストックを使うことができる(^^
書泉フローラ (12:29)
ここも下山後に立ち寄ることにする。
宮之浦大橋を通過 宮之浦大橋の少し上流にも橋が架かっていた 歩道沿いの法面
宮之浦大橋を通過 (12:31)
下を流れる川はもちろん宮之浦川。
宮之浦大橋の少し上流にも橋が架かっていた。向こうは歩行者専用のようだ。 歩道沿いの法面。さすがは屋久島、こんなところまで見事に苔生しているw
県立屋久島高等学校 屋久島高校のガジュマル 島むすび
県立屋久島高等学校 (12:43)
校門横のガジュマルが印象的だった。
屋久島高校のガジュマル。髭のような気根が無数に垂れ下がっている。 島むすび (12:52)
早朝営業で有名な弁当屋さんだ。
わいわいらんど 屋久島名物の半生タイプのサバ節 購入したサバ節とエビスビール
わいわいらんど (12:57)
地元のスーパーでアルコールを購入。
屋久島名物の半生タイプのサバ節。
今夜の酒の肴に即買いする(^^
購入したサバ節とエビスビール。
屋久島にあわせてグリーンラベルw
屋久島大社 楠川のバス停 楠川歩道入口に到着
屋久島大社 (13:14)
昭和52年建立というから、まだ新しい。
楠川のバス停 (13:31)
少し先に楠川歩道の入口が見える。
楠川歩道入口に到着 (13:33)
さあ、ここからが本番だ(^^
-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■SIRIO(シリオ) P.F.662-GTX■
幅広甲高の傾向が強い日本人の足型を元に皮革製品の本場イタリアで縫製した登山靴専門のメーカー、シリオの代表的モデル。日本人の足を徹底的に研究し、3E、3E+、4Eという3つのワイズを揃えた製品ラインナップは靴が合わないと悩む山屋の福音である。

ご購入はこちらから >>>  

-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■LEKI(レキ) AGサーモライトアンチ■
トレッキングステッキの老舗レキの衝撃吸収システムを搭載したスタンダードモデル。最近では他メーカーから安価な製品が発売されているが、時に命を預けることのある装備にはある程度の予算をかけておくべき。同社の製品にはさらに軽量のカーボンモデルもあるが、カーボンは一旦傷がつくと脆そうなのでアルミ素材のものが安心。

ご購入はこちらから >>>  

▲ページトップへ戻る   
楠川歩道のシンボル、三本杉
■4月29日 (その3)
楠川歩道~白谷雲水峡~白谷小屋

 県道77号線に面した楠川歩道入口の横には『岳参りお休み処』という休憩所がある。
 中にはベンチとテーブル、そして何より嬉しいことに清潔なトイレが備えられている。
 夜間は施錠されるようだが、楠川歩道を利用する登山者にとってはありがたい施設だ。
 昨夜、ほとんど寝ていないからだろうか、情けないことに宮之浦港からここまで歩いただけで軽い疲労を感じた。
 休憩所で小休止した後、13時58分、屋久島の中央部に向けて行軍開始。
 入り口からしばらくの間はアスファルトの舗装道を歩くが、進むにつれて少しずつ路面は悪くなる。
 ちょうど1時間ほど歩いて、完全に舗装が途切れた場所に出ると、そこが楠川歩道の本当の入り口だ。
 薄暗い林の中へ延びている道の脇には『楠川登山道入口』と書かれた道標がぽつんと立っている。
 「う~む・・・」
 本格的な山道を目の前にして、僕は思わず立ち止まった。
 ちなみに屋久島では登山道のことを「歩道」と呼ぶ。
 なので、歩道とはいうものの、タウンユースの靴で歩けるような整備された道ではない。
 この楠川歩道は薩摩藩政の時代から伐採した屋久杉の搬出に使われてきた古道で、道の上には苔むした石くれがごろごろと転がっている。
 ここから先、腰を落ち着けて食事をとれるような場所は白谷雲水峡に出るまでなさそうだ。
 「くそ、何だか妙にきついな・・・」
 僕は登り始める前からかなり消耗している自分の状況を冷静に分析した。
 昨夜からの強行軍と睡眠不足に加えて、今日は朝から何も食べていない。
 予定では今夜の宿に着くまで食事はエナジータブなどの行動食で済ませようと考えていたのだが、ここで何かしっかり腹に入れておいた方がよさそうだ。
 僕はそう考えを変えると、登山口前の広場にザックを下ろした。
 さすがにバックパックをほどいて煮炊きするのは面倒なので、煮豆のパックとドライフルーツで簡単な昼食をとる。
 「はあ・・・思ったより回復しないなあ」
 25分ほど食事休憩をとったにしては、期待したほど体力は回復しない。
 もしかしたら軽いシャリばてかと疑っていたのだが、単純に体力が落ちているようだ(汗
 このまま一人で山の中に入ってよいものかと少し不安を感じたが、まあ、それなりに経験と装備は持ち合わせている。
 気候条件も申し分ないし、加えて、直近のウェイポイントは観光地化された白谷雲水峡だ。
 とりあえず、そこまで歩いてみて、その先に進むかどうかを判断しても遅くはなかろう。
 僕はそう決断すると、再び20キロ近いザックを背負って歩き始めた。
 時刻は15時30分。
 登山口からしばらくは普段登っている里山のような感じの道だが、30分も歩くと少しずつ木の幹や岩に着生した苔の緑が濃くなっていった。
 「ああ・・・やはり、ここは屋久島なんだなあ」
 僕はひとりごちた。
 「それにしても、踏み跡が薄いが・・・この道を通る人はあまりいないのだろうか?」
 ゴールデンウィーク期間中の屋久島にしては考えにくいが、事実、休憩所からこちら、登山者の姿を見ていない。
 屋久島ほどの聖地でも、メジャーなルート以外はそんなに利用されないということだろう。
 ・・・なんとも、もったいない話だ。
 さて、山道に入ってから1時間ほど歩いただろうか、突然、左足のふくらはぎに違和感が走った。
 違和感といっても、この感覚には心当たりがある。
 間違いなく、足が攣る前兆だ。
 「う~む、まいったなあ・・・」
 僕はこの春の峯入りで整体師の引地さんに習ったようにストックを前方の地面に突き立てて足の筋肉を伸ばした。
 そうやって何度も立ち止まってはストレッチをして騙し騙し歩いていたが、大きな岩の段差を踏み越えた瞬間、ついに足が攣ってしまった。
 それも攣ったのは、今まで左足をかばって負担がかかっていた右足である。
 「あちゃー(^^;」
 とりあえずストックで身体を保持し、体勢を整えて足を伸ばす。
 激痛を我慢して何度かストレッチを繰り返しているうちに痙攣は治まったが、これで両足ともアウトだ。
 「こいつは先が思いやられるな~」
 ひとまず、5分ほど小休止。
 とはいえ、歩いて前に進まないことには状況は変わらない。
 怪我をしているわけではないので、無理をせずにゆっくり歩けばそれなりの距離は移動できるはずだ。
 そう、自分に言い聞かせながら、歩みを進める。
 16時49分、楠川歩道のランドマーク的な屋久杉である『三本杉』に到着。
 島に上陸してから初めて目にする著名杉である。
 「おお~、これが三本杉か~」
 こうなると、俄然、元気が出てくるらんぼ~流。
 両足に違和感を貼りつけたまま、構図を変えて何度も撮影w
 さて、三本杉まで来ると、ルートは急になだらかになる。
 途中、沢を渡るポイントがあって苦労したが、何とか足に負担をかけないように徒渉に成功。
 17時26分、白谷雲水峡の駐車場に到着した。
 「ふう・・・まずは一息つけるな」
 僕は一度立ち止まると、深呼吸をして自分の身体の状態をチェックした。
 このまま行くか、それとも引くか・・・。
 足の状態はずいぶん持ち直してきている。
 体力の消耗は激しいが、ゆっくりとしたペースならまだまだ歩けそうだ。
 それに今夜の宿泊予定地である白谷小屋までは、わずか1時間ほどの距離。
 「・・・小屋までなら行けそうだな」
 僕は続行を決断すると、山の奥へと足を踏み出した。
 白谷雲水峡からしばらくの間は観光客でも歩く遊歩道が続いている。
 まばらな観光客に混ざって、飛流落としなどの見せ場を鑑賞しながら先に進む。
 17時52分、観光客の終着点、さつき吊橋に到着。
 ここから先は再び山道だ。
 時々立ち止まって足を伸ばし、無理のないペースを保ちつつ、ひたすら歩く。
 本日2本目の著名杉『くぐり杉』で三脚を使ったやらせ撮影を済ませ、18時46分、白谷小屋に到着。
 白谷小屋の中には先客がいるようだが、内部は4つの部屋に分かれているので泊まり客の全体数は把握できなかった。
 薄暗闇の中、小屋前の広場に設置されたテーブルで遅れてきた数人の山屋と夕食をとる。
 疲れているせいか、あまり食欲はなかったが、地元のスーパーで購入した鯖節とビールで屋久島上陸の祝杯をあげた。
 その後、小屋の中に移動して、就寝。
 就寝時刻は20時38分であった。
(文・山岡隊員 、写真及び写真説明・山岡隊員)
楠川歩道入口 岳参りお休み処(休憩所)で一休み 小休止後、行軍開始
楠川歩道入口 (13:33)
写真左の建物は休憩所である。
岳参りお休み処(休憩所)で一休み。
中には綺麗に清掃されたトイレもある。
小休止後、行軍開始 (13:58)
スタートからしばらくは舗装路を歩く。
道沿いに設置された電気柵 舗装路は次第に細くなっていく 道沿いには見慣れない植物の姿が
道沿いに設置された電気柵。
・・・電流が流れているらしい(汗
歩き始めから、1時間が経過。
舗装路は次第に細くなっていく。
道沿いには見慣れない植物の姿が。
こいつは一体何なんだ・・・。
お化けみたいなシダ植物 楠川登山道入口 前掲写真の道標を拡大
お化けみたいなシダ植物。
ヤクシマオニシダと勝手に命名w
楠川登山道入口 (15:04)
ここで舗装が完全に途切れた。
前掲写真の道標を拡大。
ここで休憩して、軽食をとった。
あまり使われてなさそうな登山道だ 無造作に転がっている岩に着生した苔の緑が次第に濃くなっていく 三本杉
再起動 (15:30)
あまり使われてなさそうな登山道だ。
無造作に転がっている岩に着生した苔の緑が次第に濃くなっていく。 ■三本杉 (16:49)
楠川歩道のランドマーク的な杉である。
白谷雲水峡手前の徒渉点 上陸後、初めてヤクシカに遭遇 白谷雲水峡に到着
白谷雲水峡手前の徒渉点 (17:08)
渡るのにちょいと苦労した(^^;
上陸後、初めてヤクシカに遭遇。
今度は本物だ。
白谷雲水峡に到着 (17:19)
ようやくゴールが見えてきた・・・(疲
サクラツツジ 白谷雲水峡駐車場 対岸の遊歩道に入山後初めて人間の姿を確認した
サクラツツジ。
国内では高知、鹿児島、沖縄に分布。
白谷雲水峡駐車場 (17:26)
この時間、さすがに駐車車両は少ない。
対岸の遊歩道に入山後初めて人間の姿を確認した。
飛流橋を渡る 飛流おとし 弥生杉コースとの分岐点
飛流橋を渡る (17:42)
なかなかしっかりした造りをしている。
飛流おとし。すっぱりと切れた岩の割れ目を物凄い速さで水が流れていく。 弥生杉コースとの分岐点 (17:49)
疲れているので、今回はパス(^^;
原生林コースとの分岐点 さつき吊橋を渡る さつき吊橋を越えると、歩きやすい遊歩道から普通の登山道に変わる
原生林コースとの分岐点 (17:52)
遠回りになるので、同じくパス(汗
さつき吊橋を渡る (17:52)
とても立派な吊橋である。
さつき吊橋を越えると、歩きやすい遊歩道から普通の登山道に変わる。
登山道の様子 白谷川を徒渉 原生林コースとの合流点
登山道の様子。
まあ、こちらの方が落ち着くが・・・w
白谷川を徒渉 (18:20)
増水時は注意を要する。
原生林コースとの合流点 (18:29)
要所には現在地を記したマップがある。
くぐり杉 白谷小屋への分岐点 白谷小屋に到着
■くぐり杉 (18:40)
三脚をセットして、やらせ撮影(^^;
白谷小屋への分岐点 (18:44)
あとちょっとで今日の行程は終了だ。
白谷小屋に到着 (18:46)
外のテーブルにて夕食後、小屋の中へ。
小屋の中で寝る準備 夜が更けると、締め切った小屋の内部でも気温は10度を下回った 就寝
小屋の中で寝る準備。三脚を利用した照明等、ビバーク訓練の成果が出た(^^; 夜が更けると、締め切った小屋の内部でも気温は10度を下回った。 就寝 (20:38)
冬用のシュラフなので、寒さを感じることなく眠ることができた。
-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■モンベル(mont-bell) スーパースパイラルダウンハガー#1■
世界でも評価の高いモンベルのダウンシュラフ。このモデルは1,330gと軽量ながら、使用可能限界温度-22℃という驚異的な性能を誇る。また、同クラスの他メーカーの製品にくらべ、コストパフォーマンスが非常に高いのも特徴的だ。

ご購入はこちらから >>>  

-らんぼ~流イチ押しの厳選アイテム-
■ZIPPO(ジッポー) LEDミニランタン型 キーチェーン ML-01BK■
リチウムコイン電池で駆動する超小型ランタン。読書を快適に楽しめるほどではないが、テント内の照明として必要十分な明るさを持つ。電池の持ちも非常によく、予備の電池も携行しやすいので数週間に及ぶ長期の山行にも対応できる。残念ながら廃番になったGENTOSのLEDミニランタン LT-01CRと同等の製品。
ご購入はこちらから >>>  

>> 屋久島トレッキング(2)へ進む      ▲ ページトップへ戻る